文部科学省への要望書

昨日(2012年2月7日)、衆議院第1議員会館において第2回目となる「学校における柔道事故に関する勉強会」が開かれました。

150席の会場が満席となり、国会議員の他にも多くの地方議員(都道府県議会および市区町村議会議員)の方々がご参加になり、この問題に対する関心の高さを伺わせるものとなりました。

勉強会では、まず、文科省の「体育活動中の事故防止に関する調査研究協力者会議」の委員である神奈川県立足柄上病院の脳外科部長、野地雅人医師より、柔道事故で命の危険を伴う脳損傷の発生機序として「加速損傷」と「セカンドインパクトシンドローム」についての説明があり、続いて「脳震盪」と柔道の絞め技で「落とす(意識を失わせる)」ことの危険性について、注意喚起がされました。

次に、「全国柔道事故被害者の会」より3人の母親が子供が柔道事故に遭った状況と、その後の実態について訴え、更に会より「日本における柔道事故の現状」「欧米各国の柔道事故撲滅のための取り組み」「安全対策導入に向けての提言」などを行いました。

最後に、文科省のご担当者より「武道必修化への取り組み」「安全指針の通知」などの説明があり、質疑応答に移りました。

質疑応答では、特に地方議員の方から
「柔道で死亡事故が多発していることを、文部科学省はいつ知ったのか?」
「どうして毎年死亡事故が減らないのか?」
「安全が確保されるまでは、実技ではなく、当面の間は座学で武道の伝統文化の側面を教えても良いのではないか?」
などの活発な質問が文科省に対してなされました。

勉強会については、以下のJANJAN Blogの三上英二記者の記事に詳細が掲載されていますので、合わせてご参照ください。
第2回 柔道事故勉強会 ~軽視される子どもたちの《命》~

勉強会の終了後に、被害者の会から文部科学省と民主党幹事長あてに、準備不足が危惧される武道必修化と死亡事故が多発している部活動などの学校管理下での柔道事故に関して要望書を提出いたしました。

要望書では、
1.国民が納得できる安全確保の仕組みの提示
2.中立的な第三者による事故調査委員会設置の義務付け
の2項目を上げ、柔道事故の防止策の確立を訴えるとともに、要望内容についての具体的例示を行っています。
要望書につきましては、下記よりダウンロードいただけます。
「全国柔道事故被害者の会 要望書(2012年2月7日)」

以下に、この件に関するメディア各社の報道記事へのリンクをご紹介いたします。(リンクは2012年2月8日現在確認が可能なものです)
日本テレビ:日テレNEWS24
TBS:NEWS i
毎日放送:MBS NEWS
中日放送:CSBC NEW

毎日新聞
共同通信
読売新聞

また、2月6日に放送されたNHKのクローズアップ現代「“必修化”は大丈夫か 多発する柔道事故」の内容がテキストと画像にて配信されています。
見逃された方は、是非ご覧ください。
2012年2月6日:クローズアップ現代「“必修化”は大丈夫か 多発する柔道事故」




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