長野県松本市柔道教室事故:元指導者を強制起訴

2008年5月に松本市の柔道教室で当時小学6年の男児が練習中に投げられ急性硬膜下血腫を発症、重い障害が残った事故で、長野地検が業務上過失傷害罪で2度にわたり不起訴(嫌疑不十分)とした元指導者に対して、長野検察審査会は「起訴すべき」とする2回目の議決をし、元指導者は強制起訴されることになりました。

議決書では、男児と元指導員は体格差、能力差が大きく「基本技でない片襟体落としをかけたのは事故発生の重大な危険性がある」と指摘。
また、小中高校生にスポーツの指導をする際には、脳が揺れやすく、急性硬膜下血腫を起こしやすいことを念頭に置く必要があると指摘し、危険を伴う柔道の指導者は、頭部を打たなくても急性硬膜下血腫などで重大な結果が生じることを知り得たと判断。
同罪の成立に必要とされ、検察官が一貫して否定している予見可能性は「柔道の指導者として頭を直接打ちつけなくても重大な結果が生じると知り得た」とし、元指導者には予見可能性があり、事故の回避は可能だったと結論付けました。

この事故では、長野地検が2012年4月に元指導者を不起訴としたのを受け、男児の両親が同年5月に検察審査会に審査を申し立てていました。検察審査会は7月に「起訴相当」と議決しましたが、長野地検は同12月に再び元指導者を不起訴としていました。

以下、報道記事へのリンクをご紹介します。
(リンクは、2013年3月7日現在において確認ができるものです。一定の期日を過ぎると非表示となるリンク先もありますのでご注意ください)

NHK
日本経済新聞
読売新聞
信濃毎日新聞
スポーツ報知




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