高1柔道部員が頭打ち、重篤事故発生(大分)

5月21日(木)大分県立中津北高校の柔道部で試合形式の乱取り中に1年生が後頭部を強打し、遷延性意識障害となる事故が発生しています。

記事によると事故発生時間があやふやで、倒れてから30分後に救急車を呼んだ可能性が指摘されています。
問題なのは、事故発生が5月21日だったにもかかわらず、7月1日時点でも全柔連に事故報告がなされていなかった事実です。警察にも通報されておらず、スポーツ振興センターにも報告が上がっていなかった可能性があります。

http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2015/07/03/002717347
http://www.asahi.com/articles/ASH723F4FH72TPJB002.html
http://www.e-obs.com/news/detail.php?id=07020030683&day=20150702
http://blog.livedoor.jp/damekyoshi/archives/2047274.html

もしこの大分の事故が速やかに公表されていたら、次の日5月22日に発生した福岡市立席田(むしろだ)中学校1年生の死亡事故は防げたかもしれません。非常に残念です。

被害生徒さんは初段で幼少時より柔道に親しんでいたかなりの経験者でした。
脳損傷による重篤事故の大半は初心者に発生していますが、このような経験者でも脳損傷事故は発生しています。

過去の柔道事故を検証すると、
・適切な水分補給がされていない(ひどい事例では給水禁止)
・頭部打撲や脳震盪の軽視(落とす【絞め技で意識を失わせる】ことに慣れている?)
・初心者であっても最初から上級生と同じ練習メニュー
・自分の首も支えられないほど意識がふらふらになる長時間連続の練習
などが見えてきます。

嘉納治五郎師は「今日柔道は体育という目的からも学校に課せられているのであるから、教師たるものは、解剖、生理、衛生等の学識をも備え、それらの方面からも考えを立てて、柔道の修行がもっともよく体育の目的に適するように指導しなければならぬ。」と記しておられます。
(嘉納治五郎著作集第二巻)




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