Accidentという単語は使用禁止(内田良名古屋大准教授記事)

「現代ビジネス」11月24日付に、内田良名古屋大学准教授が〔親が知らない「部活動リスク」~なぜ学校では「コピペ」のような事故が繰り返し起こるのか?〕を執筆しておられる。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46482

その中で内田准教授は、医学雑誌British Medical Journalが2001年に「accidentとはしばしば、予測できない、つまり偶発的な出来事または神の仕業であり、それゆえに回避できないことと理解されている。しかし、たいていの傷害や突然の出来事というのは予測可能であるし、防御可能である」という理由から、accidentという言葉の使用を禁じたことを紹介している。

日本では何十年にもわたって毎年毎年柔道で子ども達が死に続けていた。
全国柔道事故被害者の会では当然欧米でも死亡事故や重篤事故が発生していると考え、2010年に欧米各国の柔道連盟に重篤事故の問い合わせをした。
「事故」であるから「accident」という単語を使って問い合わせをしたが、欧米からの返事には「injury」という単語が使われていた。
私共は「怪我」(injury)を訊ねているのではなく「事故」(accident)を問い合わせているのにと怪訝に思ったが、何度かやり取りを重ねるうちに「accident」は「避けられない、予測できない事故」で、「injury」は「予測でき、防げる事故」であることが理解できた。
つまり「柔道事故は、防げる事故」なのだ。

先日の衆議院議員会館での「学校管理下における重大事故について考える勉強会」には柔道事故だけでなく多くのスポーツ事故被害者遺族が集まった。
この勉強会を通じ、コピペ事故を防ぐための積極的な一歩を踏み出す必要を強く感じた。
これ以上同じ事故を繰り返して、子どもたちの犠牲者を増やしてはならない。
2015年11月28日




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