「偶発的な事故」で片付けていてはいつまで経っても柔道事故は無くならない

昨年(2015年)5月21日に大分県の県立高柔道部で発生した柔道事故について、教育委員会が設置した「県柔道安全指導検討委員会」が、事故報告書を発表しました。
http://www.yomiuri.co.jp/local/oita/news/20160114-OYTNT50166.html
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/01/14/133209796
http://www.sankei.com/affairs/news/160114/afr1601140029-n1.html

安全指導検討委員会は「偶発的に起こった不慮の事故だった」と結論づけました。
「偶発的な事故」であるならば当然防ぎようがありませんから、世界中どこで柔道事故が発生してもおかしくありません。
フランスの柔道人口は日本の4倍ちかい60万人、ドイツは2倍以上の40万人です。
しかし世界の子ども達は、死亡事故はもちろんのこと、このような重篤事故にすら遭遇していません。
なぜ日本でだけ、「偶発的事故」が発生するのでしょうか?
それをこそ、安全指導検討委員会では調べていただきたかったです。

報告書では「事故前後の対応など問題は認められない」としていますが、速やかに事故が公表されて警鐘が鳴らされていたならば、大分の事故(5月21日)の次の日に発生した福岡の死亡事故(5月22日)は、防げたのではないでしょうか。

委員会は第三者事故調査委員会だとばかり思っていましたが、委員会の名称が「県柔道安全指導検討委員会」だと知り、少なからず驚きました。
そう言えば、福岡の死亡事故の調査委員会の名称も、「福岡市柔道安全指導検討委員会」でした。
世界では、スポーツ事故はinjury(防げる事故)と表現されています。
日本はいつ、accident(あいにくの事故 防げない事故)からinjury(防げる事故)に変われるのでしょうか。

2016年1月16日




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