学校での死亡事故調査に関する文科省有識者会議の骨子案がまとまる

学校での死亡事故に対し、文科省の「学校事故対応に関する調査研究有識者会議」が、
・基本調査として、事故発生3日以内に関係する全教職員から事実関係を聞き取る
・死亡した子どもと関係が深い子らへの聞き取りも、保護者の協力を得て実施する
・弁護士や有識者ら第三者で構成する検証委員会が、詳細調査を実施する
・被害者家族らの支援を担当する「学校事故コーディネーター(仮称)」の派遣
・対象は幼稚園、小学校、中学校、高校、特別支援学校

などの指針を3月中にまとめると、18日に発表しました。
http://mainichi.jp/articles/20160119/k00/00m/040/063000c
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18HDX_Y6A110C1CR8000/
非常に大きな一歩で朗報ですが、手放しでは喜べません。
・第三者による詳細調査を実施するかどうかは、遺族の意向なども踏まえて各教育委員会が判断する
・「学校事故コーディネーター(仮称)」は教育委員会職員や専門家らを想定し、被害者家族の支援や家族と学校の橋渡し役などを担当する。

とあります。

昨年(2015年)5月21日に大分県中津北高校柔道部で遷延性意識障害となる非常に重篤な事故が発生しましたが、7月2日に朝日新聞がスクープするまで、事故は隠蔽されていました。
教育委員会は記者会見で、「静かな状況で治療に専念させたいという家族の意向を尊重した」と釈明しましたが、ご家族はそのような発言はしていないとお聞きしています。
http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2015/07/03/002717347
http://judojiko.net/news/1778.html

調査に学校自身や教育委員会が関われば、自分達に都合の悪いことを隠蔽してしまいがちです。
教育委員会職員が「橋渡し役」と言いながら、被害者家族を説得する役目を負うかもしれません。

私共は衆参両議員会館で勉強会を複数回開催して、学校で事故事件が発生した時の初動調査の確立を訴えてきました。
折りしも先日1月19日にも参議院議員会館で、超党派の先生方が呼びかけ人となって勉強会を開催し、馳文部科学大臣に陳情書を提出いたしました。

初動調査の確立が大きく一歩前進したことはすばらしいことですが、色々な立場の人達の思惑が入り込まない「事実解明」が、さらに確立することを強く望みます。

2016年1月24日




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