映画「コンカッション」(脳しんとう)が10月29日より日本にて公開

アメリカ映画「コンカッション」(脳しんとう)が、ようやく日本でも、10月29日(土)より公開される。
http://www.kinenote.com/concussion/

アメフトチーム、ピッツバーグ・スティーラーズの花形選手で、殿堂入りも果たしたマイク・ウェブスターは、晩年激しい頭痛や幻聴などを訴えて奇行を繰り返し、家族にも見放されて50歳の時に車の中で変死を遂げた。

彼の解剖を手掛けた、アフリカからの移民で法医学者のオマル医師は、強靱だった選手がアルツハイマーのような症状に陥り、しかも解剖結果もCT画像も正常であったことに疑問を持つ。そして自ら高額な費用を負担して脳を精査した結果、CTスキャンには写らない新たな疾患の可能性にたどりついた。この実話を基に、映画は作られている。

人間の脳は60Gの衝撃で脳しんとうを起こす。フットボールで頭をぶつけ合うショックは100G以上である。脳しんとうを起こし続けると、連鎖的な神経障害により脳内にキラータンパク質が発生して少しずつ精神を蝕んでいくのだ。
この恐るべき症例を発見したオマル医師は、「慢性外傷性脳症(CTE chronic traumatic encephalopathy)」と名付けた。

つい先日長友 佑都選手が脳しんとうで日本代表を離脱したことからもわかるように、脳しんとうを軽視するのは非常に危険なのだ。

スポーツ指導者の方々だけでなく、スポーツを楽しんでいる子どもたち、そして保護者の方々にも是非見ていただきたい。
特に頭をぶつけることに対して何の危機感も抱いていない柔道指導者は、必ず見ていただきたい。

注:G(ジー)とは…加速度の単位。
地表の物体は、天体の中心に向かって引き付けられるが、この重力の大きさを重力加速度という。地球上の重力加速度を1Gとして、このn倍の加速度を、nGと表す。
100Gとは、重力の100倍の負荷がかかった状態をいう。
50㎏の人に100Gかかっているならば、5,000㎏のものの重力と同じである。

2016年10月18日




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