「段位」の持つ意味とは

国際柔道連盟、プーチン氏の全ての役職を解任 名誉会長など
https://mainichi.jp/articles/20220307/k00/00m/050/105000c…
プーチン大統領と日本柔道界の深い関係 特別昇段、パイプ役の過去も
https://digital.asahi.com/articles/ASQ326GW3Q32UTQP012.html?iref=com_latestnews_01…

柔道家として知られる、ロシアのウラジミール・プーチン大統領(69)は、2000年に来日した際に、柔道の総本山である講道館から「講道館柔道6段」を授与された。
今、ロシアのウクライナ侵攻を受け、講道館には、「段位剝奪(はくだつ)」などを求める電話がかかってきているという。人々の当然の思いであろう。 しかし、段位剝奪について、講道館関係者は、「段位は、認めたその時点までの実力、功績に対して与えられる。その後に犯罪などの行為があっても、段位の剝奪は行わない」と言っている。 この理屈に納得できる人がどれぐらいいるのか。
有段者は、最後に与えられた段位をその後もずっと名乗り続け、例えば、履歴書の「資格」の項目に、それを堂々と記入するであろう。現在形で使用する「段位」は、現在の所持者がそれを持つにふさわしくなければ、剥奪するべきである。
私達は、子どもたちが好きだった柔道の「段位」という重き資格を、平気で人殺しをする人たちに持っていてほしくない。

私達の国が「戦争」という悲惨な経験を終了させてから、77年が経つ。もうあってはならないと心に深く刻んでいるその惨事が、21世紀の今、ウクライナで起きている。
大きな国を操るトップリーダーのプーチン氏が、「こんなことはもうやめよう」と決め、ウクライナとの対話に切り替えれば治まる戦いである。
プーチンだけではない。柔道界には、言葉で話せば済むのに、暴力行為しかできなかった指導者のなんと多いことか。
私達の子どもを暴行で殺し障害者にした指導者たちも、みな有罪者のはずであるが、誰も段位を奪われてはおらず、平然と指導を続けている。

 段位を所持するにふさわしいかどうかは、技術のみならず、柔道MIND(礼節 自立 高潔 品格)を持ち合わせているかどうか、それ以前に人としての道を踏んでいるかどうかも見るべきであろう。
山口香氏の、「強さを身につけたら、それを世の中のために活用することが嘉納治五郎先生の教え。強さをああいう形で行使するのは、絶対にあってはいけないこと」という言葉は、 まさにその通りであるが、多くの柔道家が忘れていることだ。
これこそ世界中の柔道界で共有したい。もちろん、日本の柔道界こそ率先して、おのおのが心に留めおきたい。

2022年3月26日




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