大阪市此花区の柔道教室での小1死亡事件で指導者が書類送検されました。

昨年の11月に発生した大阪市此花区の柔道教室で小学校一年の男児が柔道の練習中に死亡した事件で大阪府警は9日、整骨院の元院長ら2人を業務上過失致死の疑いで書類送検したと発表しました。

柔道事故としては異例ともいえる程速い書類送検です。
極めて違法性が高いと認識をされたのではないかと推測します。

以下、複数の新聞記事より引用いたします。

■朝日新聞
柔道指導者ら2人書類送検 通い始めて3カ月の小1死亡
大阪市此花区の整骨院内の柔道教室で昨年11月、同市立伝法(でんぽう)小学校1年の宮本真那斗(まなと)君(当時6)が練習中に意識不明になり死亡する事故があり、大阪府警は9日、整骨院の元院長ら2人を業務上過失致死の疑いで書類送検し、発表した。
 書類送検されたのは、阪本剛元院長(35)=同区伝法6丁目=と、山崎裕幸経営者(37)=同区酉島3丁目。
 捜査1課によると、阪本元院長らは昨年11月10日夕、約20分間にわたって初心者の宮本君に立ち技をかけ続け、1週間後、頭を強く揺さぶられたことなどによる脳腫脹(しゅちょう)で死亡させた疑いがある。同課は、宮本君が教室に通い始めて3カ月で受け身が十分にできないことを2人が知りながら、繰り返し技をかけた過失は重いとして、起訴を求める「厳重処分」の意見をつけた。
 同課によると、当時直接指導していた阪本元院長は「受け身の練習ばかりだと子どもが飽きて辞めてしまうと思った」と供述し、山崎経営者は「技をかけ続ける練習はまだ早いと思ったが、了承してしまった」としているという。
 柔道教室は整骨院の一部を使って昨年8月に開設されたばかりだった。教室のチラシには、阪本元院長を「柔道4段」「インターハイベスト8」と紹介していたが、実際には初段で大会の成績も偽りだったという。
 宮本君の母親は朝日新聞の取材に「息子は誕生日が先にきた友だちをみて、自分も早く7歳になりたいと話していた。今もランドセルや靴、おもちゃなどを片づけられず、心に大きな穴が開いている」と話した。
 伝法小学校の関係者は宮本君について「非常に明るく元気で、勉強も運動もできたクラスの中心人物だった。本当に残念だ」と話した。死亡した4日後には、「学習発表会」の劇で主役級の役が決まっていたという。

■産經新聞
柔道で小1男児死亡、業務上過失致死容疑で指導者らを書類送検 大阪府警
 大阪市此花区の整骨院で昨年11月、柔道の練習中に同区の小学1年の男児=当時(6)=が意識を失い死亡した事故で、大阪府警捜査1課と此花署は9日、業務上過失致死容疑で、整骨院を経営する柔道教室の管理者(37)と、元診療助手で柔道の指導者(35)=いずれも同市此花区=の男性2人を書類送検した。
 送検容疑は、昨年11月10日午後5時20分ごろ、同区の整骨院1階の簡易道場で、柔道経験約3カ月の男児に十分に受け身の指導をしないまま、繰り返し足払いなどの立ち技をかけて畳に投げ付け、同17日に左硬膜下血腫による脳腫脹(しゅちょう)で死亡させたとしている。
 捜査1課によると、2人は「受け身の練習ばかりだと飽きると思い、十分な指導をしなかった」などと容疑を認めているという。
 同課によると、男児を畳に投げ付けた際、指導者が柔道着を強く引いたため、脳に衝撃がかかり、脳内の静脈が切れたという。男児が受け身を取ることができれば、脳への衝撃は緩和できたとみられ、同課は受け身の指導不足が死亡につながったと判断した。
 同課によると、柔道教室の生徒募集のチラシには、実際は初段だった指導者を「4段」と紹介するなど、うその記載もあった。




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