設立趣旨

柔道の安全を願う

28年間で114人。
この数字は、1983年から2010年の28年間で中学・高校での柔道事故*(事件及び事件性の高いものも含む)で死亡した子どもの数です。(名古屋大学大学院:内田良準教授の資料より)
年平均4人以上の死亡者に換算されるこの数字は、他のスポーツに比べて、明らかに突出した数字であり、競技人口あたりの死亡率として計算すると、それは、異常ともいえるほどの高い数字を示します。

また、この数字には、現在も遷延性意識障害(植物状態)にある方、後遺症によって深刻な高次脳機能障害に悩まされている方の数は含まれていません。
また、学校管理下で起こった事故の死亡者数のみであり、学校以外の場所での柔道事故の死亡者は含まれていません。
それらの方を含めれば、この数字がどれほど高くなるか、想像に難くありません。

毎年、柔道で亡くなる子どもがいます。
柔道は危険なスポーツです。

私たちはこう考えます。
柔道は危険なスポーツであるからこそ、適切な指導が必要なのだ、と。
柔道は死の危険を伴う可能性があるからこそ、徹底した安全への配慮が必要なのだ、と。

中学・高校での武道が必修化される中、今こそ柔道の指導方法、安全への配慮が厳しく問われなければなりません。

また、柔道事故の場合、その原因の究明、責任の所在を問う時に、非常に大きな壁が立ちはだかります。
学校管理下で起こった事故の場合、事実が隠蔽されることすらあるのは、過去の報道でも伝えられている通りです。

私たちは、家族を亡くした絶望と悲しみの中で、自身や家族に起こった突然の理不尽な不幸への憤りと苦しみの中で、それらの内なる感情と戦いなら、事件・事故の真実を解明しなければなりません。

そして、絶望、悲しみ、憤り、苦しみを抱えながら、事実を解明し、真相を追求する中で、私たちは、私たちを更に苦しめる、社会に横たわる様々な事実に直面します。

柔道事故の被害者とその家族に起こる事。
それは、今までの生活を一変させるものです。

私たちは、同じ柔道事故の被害者家族として、柔道事故に遭われた方への支援と、柔道事故の被害者を二度と出さないために、この会を設立いたします。

私たちの活動が、一人でも多くの柔道事故の被害者の方の支えになり、そしてその活動により、柔道の安全が確立され、悲しい事故・事件がなくなる事を願ってやみません。

2010年3月27日

*本文中では、解りやすい表現とするため「柔道事故」として表記をしておりますが、中にはきわめて事件性の高いものが含まれます。
本来なら、それらについては柔道事件と表記すべきですが、言葉としての解りやすさを優先し、柔道事故と表記をしております。


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