第3回「学校における柔道事故に関する勉強会」が開催されました。

2012年3月15日に第3回目となる「学校における柔道事故に関する勉強会」が衆議院議員会館にて開催されました。
この勉強会は民主党の中根康浩衆院議員と初鹿明博衆院議員が発起人となり進めていただいているもので、今回も多くの国会議員、地方議員、マスコミの方にご参加いただきました。

勉強会では、まず、学校事故を研究されている名古屋大学の内田良准教授が講演をされ「必修化によって柔道授業の安全性に焦点が向かいがちだが、柔道による死亡事故の大半が部活動中におきており、部活柔道の危険にも目を向けなければいけない」という指摘がありました。

続いて全柔連医科学委員会副委員長で愛知県がんセンター総長でもある二村雄次先生より、ご自身が医療事故の検証作業に従事されたご経験から、柔道事故においても医療事故と同様の検証プロセスが必要であり「外部委員をも含めた中立的な事故調査委員会を設置し、調査報告書を公開する事。この事が事故原因の究明と再発防止策に繋がる」という講演がありました。
また二村先生からは、現在、3つの大学病院とその関連病院において柔道による頭部外傷を総て登録することを始めており、症例集積後に情報を分析して事故防止策を提言するモデル事業を全柔連に提案中であるというお話もありました。

お二人の講演の後に、全国柔道事故被害者の会より3名の家族が部活動と授業で起こった柔道事故の実態について話をしました。
また、文科省の出した安全指導の手引書について更なる安全確保のための提言と部活柔道での安全対策を提言いたしました。

被害者の会からの報告の後、名古屋市教育委員会の武道必修化への取り組みと新井ともはる都議会議員からの報告がありました。

質疑応答では、出席をされた国会議員の方からも発言がありました。
脳神経外科医でもある民主党の石森久嗣衆議院議員からは、脳神経外科学会で議論をされた柔道事故について言及をされ、頭を直接打たなくても頭部の揺れによって急性硬膜下血腫が発症する加速損傷についての注意喚起が必要であるというご指摘がありました。

勉強会の最後には、出席をされていた谷亮子参院議員から「被害者の生の声を聞いて心が痛んだ。良い選手が良い指導者になるとは限らず、指導者に対しては医学的な研修を行う事が重要である」という発言があり、柔道の安全確保のために3月19日の質問でも取り上げるとお話をされました。
柔道界の第一線でご活躍をされてきた谷議員から、指導者への医学的研修が必要であるとの発言があったことは大きな意味のあることだと思います。

今回も、予定時間を大幅に越す勉強会となりました。
多くの方にご出席をいただき、非常に有意義な時間を過ごす事ができた事を感謝をいたしております。




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