全柔連が柔道指導者に資格制度を導入。

シンポジウムなどで被害者の会が提唱をし続けてきた柔道指導者の資格制度が導入される予定です。
本日(2011年4月22日)開催される全柔連の理事会において決定される予定です。
以下、読売新聞の記事より引用いたします。

■読売新聞(2011年4月19日掲載)
柔道の練習中に頭などを打ち、死亡や重体事故が絶えないことを受け、全日本柔道連盟(全柔連、事務局・東京)は指導者の安全管理を徹底するため、「指導者資格制度」を設ける方針を固めた。頭部外傷などに関する認識が低い指導者がいることが、事故が減らない原因と判断。指導者には、基本的な受け身の指導などを教える講習会の受講を義務付け、更新制とする。柔道を含む武道は2012年度から中学校で必修になることから、事故の防止に全力で取り組む。22日の理事会で決定する。
 柔道の事故に詳しい内田良・名古屋大准教授によると、学校で練習中に中学、高校生が死亡した事例は1983~2011年1月に全国で114件発生している。
 投げられて頭部などを打ち、硬膜下血腫や脊髄損傷を起こしたケースが目立つが、急性心不全や熱中症でも死亡している。学校以外でも昨年11月、大阪市内の小学1年男児が練習中に頭を強く揺さぶられるなどして死亡している。
 全柔連ではこれまで、初段以上でチームの監督やコーチなど指導的立場にある人が登録する制度を設け、約3万人が登録。医師などを講師に招いた自由参加の講習会や指導マニュアルも作成していたが、指導法は個々の裁量に任されているのが実態だ。中には脳しんとうを起こしても練習を再開させるなど危険性の認識が低い指導者もいるという。
 新たな制度案では、講習会の受講を義務付け、資格に有効期限を設けて、更新制にするなどを検討している。今年度中にも導入。現在登録している指導者も対象とし、今後2年間で講習会を受けさせて改めて資格を取らせる方針だ。
 全柔連の坂本健治総務課長は「これまでの対策が必ずしもすべての指導者に浸透していたとはいえず反省している。安全意識の高い指導者を育て、事故の予防に努めたい」としている。
 09年夏に滋賀県愛荘町で中学1年のおい(当時12歳)が部活動の練習中に投げられ、死亡した「全国柔道事故被害者の会」副会長の村川義弘さん(49)は、「これまで毎年のように事故が起きていたのに全柔連が効果的な対策をしてきたとは思えない。今回の取り組みを現場の指導者に徹底し、事故防止につなげてほしい」と話している。
(引用ここまで)

どのような内容の資格制度になるのか、その資格を取得するためにどのような講習をうけ、その講習内容を指導者が理解したことをどのような方法で判断し、資格を付与するのか、更には、指導者資格を与えられた指導者が事故を起こした場合、その指導者の資格を剥奪し得るのか、また過去に事故を起こした指導者に資格を与えるのか等々、資格制度の導入以上に、その内容が重要になります。

この資格制度が、今までの安全対策のようなお題目だけのものにならないために、全柔連には、柔道による事故は今後一例も起こさないという強い意志を、この制度で示していただきたいと思っています。




ページの先頭に戻る